❀あらすじ❀
中学三年生で異世界に召喚され、世界を救った主人公:舞薗雷地。
勇者としての力が新たな争いの火種とならぬように地球に送還され普通の生活を送ろうとしていた。
不眠に悩まされ、2年というロスタイムによる同世代とのステージの違いに愕然とする中、帰宅途中の環状線で夢と現実の狭間"裏東京"へと招待される。
学校の先輩・魔法少女・山茶花と呼ばれる現実を超えた力による異変に対処する組織に所属する九時宮針乃と相対する事で彼自身が闘争を望んでいることに気付かされる。
表があれば裏もある。作り出された裏東京を舞台に"裏門"と呼ばれる異能者マッチングバトルアプリを用いて日々起きる闘い、強者との懐かしの闘争が幕を開ける…
そんな帰還から始まる現代異能バトル物。
❀感想❀
異能バトル×ゲーム的なランキング。神隠し…異世界に召喚され勇者として過ごした時間は現代に帰ってきてしまえば喪失と同義…"普通"ではなくなった彼が普通であろうとする中で身体に異変をきたしている。そんな"普通"であろうとしていた彼が自己防衛という言い訳とともに力を振るい、これまで相対した中でも圧倒的な魔法少女の力に触れ、己の中で闘争も求めていることを知る。表と自分のズレと裏への招待による抑圧からの解放…それとともに繰り広げられる異能によるの相対が楽しめました。
戦闘描写は躍動感もあって立ち回りも想像しながら楽しめました。
闘争を求めるというと少し狂戦士感でてしまいましたけど、
どちらかというと感情ベクトルとしては自分の自身の力を抑えること無く、そのままありのままで居られる事の解放感が強いのかなとか思ったり。
魔法少女に人狼に魔王…勇者以外にも様々な立場のキャラクターが居て、
彼女達との相対そのものも、その後に見せる日常の掛け合いも楽しかったです。
わずかに垣間見える異世界の時の状況は少し切ない…。
何となく文章から伝わってくるテンションから楽しそうに書いてるのかなと感じる掛け合いの勢いがあるきがします。続きが楽しみです。
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❀ネタバレ感想❀
嘗て世界を救った者同士の相対。魔法少女VS勇者。
何処か似ている、自身の強さを抑えた者同士が力を存分に振るう相対。
勇者VS人狼。
お互いに異世界という共通がありながら、相反する立ち位置で戦っていた二人の相対勇者VS魔王…。そんな感じで何となく似た者同士の相対で、その闘争とともに変わっていく感情や関係が良かったですね。静那の事は別に忘れてないですけど…特に上記3人との相対はそれぞれの戦いの中で生き方の変化に繋がるものもあったので…。
雷地と針乃の戦闘からは雷地の本来の在り方や強者との戦いへの潜在的欲求の顕在化。
あと呪いの初めてが何ともいい味させてましたね。超強いセンパイにつけられた呪というなの思春期からしたら祝福…これがスタートだったので二人の関係がどうなっていくのかなーなんて思いながら読んでたら次は男装人狼:一狼と…一度目は不完全燃焼。
そこで彼女が抑えている秘めている力を目にして、全力を振るえることに解放を覚えた彼自身も彼女との全力の闘争を望んで再戦…ここが特に好きな所でしたね。
一狼が一度倒した相手に対して興味を失う…それを承知の上で一度負かされたとしてもリベンジしてやるという宣言とともにぶつかり合う二人の全力が熱かったですね。
一狼の戯れみたいな甘さも含まれた相対にじゃれ合いみたいな空気もあるけど、その上での死闘が良い。
その先で意識してる一狼も可愛らしかったですね。
魔王登場からはなかなか怪しい雰囲気と徐々に侵略されていく様子に緊張感がありましたが、その緊張感が良かったですね。あと魔王との相対。のところだと図書室の描写が好きでしたね。図書室は異界の気配…の所。自分の知らない世界とつながる…が好きなのです。世界は心で出来ている。物語に生じる沢山の心はそれこそね…と。
魔王との相対での夢からの目覚めの所が最初の不眠にもつながっている気もして良かった。そしてなんか寄生されてた雷地くん…貴方寄生されててあの強さやったんね…次回移行から本調子の彼の活躍ぶりも楽しみですし、彼女達との関係も気になりますね。
針乃さんがリード?と思うけど一狼が距離としては近いか?しかし、厨二病全開少女のお目付け役としての学校生活も有りそうですし…どうなりますかね〜。