🌸あらすじ(BOOK☆WALKER引用)🌸
「天使」「悪魔」「獣人」「吸血鬼」「人間」。匣庭に住む五種族の関係は、衝撃的な惨劇をもたらした吸血鬼殺人事件によって大いに荒れていた。
そんな中、悪魔の代表『魔王』の城へ向かった『聖女』ジェーン・ドゥが失踪する事件が起こる。さらに五種族の代表全員も、同じく姿を消したことが明らかに。
天使警察・エルと、気弱な悪魔・イヴのバディは、ジェーン・ドゥの従者リリスと捜査を開始。しかし天使警察本部が、何者かに操られた人間の群衆によって襲撃されてしまう。
糾弾をされた、失踪事件を起こした犯人は─「天使警察のエル・フラクティア」。企みと裏切りが交差する匣庭で、物語は何処に向かう?
🌸感想🌸
容赦ねぇな…掛け合いの楽しさなんかもやはり良いけれども、人の醜さとか、救いようのない愚かさに圧倒される。
また、1巻2巻と続いてきた事件に更に今巻接続されたことで一つの流れを見ることが出来、この匣庭の世界と残酷さに飲み込まれ、嫌な予感しかしない次以降の"冠"のお話への期待が高まりますね。
本当にどうなってしまうんだろうな…この世界は…。
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🌸ネタバレ有り感想🌸
プロローグと林檎の片割れという言葉でジェーンドゥの正体は察せるようになっていたんですけど、ジェーンドゥが悪魔であったことよりも彼女の狙いこそが重要だったんだな…とエピローグで分からされる…。いや…人間の醜さ愚かさよ…扇動されて都合のいいように解釈して、自己擁護の為に他者をこれでもかとこき下ろし、攻撃するその愚者の在り方に吐き気がする…けど人間だな…って思っちゃうよね…。
化け物に堕ちて天使警察を攻撃して…今回のこの騒動で一体どれだけの命が散ったことか…ある意味この背後にいたのが魔王であったことはイメージ通りというか、魔王か…魔王だしなって感じだったんですけどね…。
天使警察襲撃事件に関して…教会での一幕に関して…本当に読んでるだけで肌が粟立ち恐怖と嫌悪に満たされていくのが読んでいてわかったな…。
そんな状況でも真っ直ぐに向かっていくエルとイヴの姿は心の救いでもあったよね…。
この2人のコンビがこの先の冠の戦争で潰し合いそうな気がしてならないが、
そんなことになってもこの2人争うのは無理でしょ。
そういう風に思うからこそ、次回から始まる戦争で、少女達5人が争う女王の座の争奪戦はもしかすると新しい答えが生まれるんじゃないかって期待している。
若しくはこんな世界壊してしまえ!って展開も想像してみたりとかね。
どんな道を進んでいくのが楽しみです。
調べて知ったんですけどジェーンドゥって名無しの権兵衛…容疑者なんかにも使われる名前だったんですね…無知を晒す様ですがずっと提示されていたんだ…って思って愕然としている。
林檎の解釈によって生まれたすれ違い…その中でもずっと思い続け通した意志…きっとリリスの最期も彼女の言葉通り…死ぬ時はどころか死ぬその時まで永遠に刻まれているのだろうな…。やるせないような、報われないような…何とも言えない喪失感が味わえた。次回も楽しみです。