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よって、初恋は証明された。 -デルタとガンマの理学部ノート1- (#電撃文庫)/逆井 卓馬

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🌸あらすじ(BOOK☆WALKER引用)🌸

思うに〈青春〉というのは、よくできた推理小説のようなものだ。
 失われてしまった恋愛成就の桜の謎。部活勧誘の小さな違和感。巨木の樹齢に秘められた物語。密室で消えたハムスター。壊れかけの生物部に捧げられた、高校生たちの切実な決断。
 無関係だと思われたひとつひとつの因果はどこかでつながっていて、あとから振り返って初めて俺たちはそれを〈青春〉と認識する。そこでようやく気付くのだ。見落としていた大切なことに。
 「検証してみようよ……科学的に!」
 これは、科学をこよなく愛する高校生たちが日常で直面する数々の謎に挑む、綱長井高校「理学部」のささやかな活動記録。
――そして、一つの初恋が解き明かされるまでの物語である。

🌸感想🌸

日常に潜むほんの些細な気になる事。そうした違和感を科学的思考と好奇心、探究心によって紐解いていくストーリーが面白かったですね。
ロジカル的な思考や現状と謎の紐解きこれは理系的部分の面白さ。
さらにここに加えてキャラクターの生き方…どう生きるのか、どう考えているのか、そうしたその人の在り方や心の機微を書き方が好み。論理的思考と感情的思考どちらも楽住むことができました。 やはり日常の好奇心に対して追求していくことで新しい発見につながることや、全く想像外の思惑が見えてきたりなど、好奇心を持つこと、その不思議に思った感情を自分の経験と知識で紐解くことの面白が伝わりますね。
植物の食性だとか、花言葉の活用方法も素敵な作品でした。
特にこの部分は恋の部分にも繋がり、最後の瞬間は声が出ましたね。

📚️BOOK☆WALKERリンク🔗

bookwalker.jp

🌸ネタバレ感想🌸

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気づいた!花言葉見たな!わかったな!ってラストテンションぶっ飛んでましたね。
最初の押し花はなんだろうな…カタクリか?…初恋…?って速攻楽しみにしていた。
気づくのか気づかないのか…どっちだ?!ってワクワクしながら物語の進行を見守ってきてラストで明らかに気づいた気配…たまらねぇよ…このタイミングでその意味を見つけたのが最高に楽しい。一つ一つの描写が細かくて日常風景の鮮明さが際立っていてその部分がすごく好きだったな…。序盤の木材や過分についてとかも関係ないようでいてあることによりその世界が見えるというか感じられそんな文書が多かったのが好き。
夫婦桜…始まりの謎であり物語の提示…。何故かハートに見えない。なんで?ってそこで疑問を抱き検証し、その仮説を明かす為に行動する。このサイクルを回す少年少女の探究心に一緒に心ワクワクしながら読んでましたね。カタクリのことからズレていることを導き出す。これまでの記憶や知識を、ただ知っているだけで留めるのではなくてきちんと自分の中で腹落ちして活躍、活かしている結果解決に繋がるという、彼らの動力や知的好奇心といった彼らだからこその構成が良いですね。
生物部に入学させるための違和感とかも誰かが背景にいるぞ?と思わせてから誰がどのような目的で、秘された関係性はどんなものなのかと考察しながら共に進んで行けて面白かったですね。数式とかがしっかり現状の鍵になってたりするのがねー作り込み半端ない。高校では上手くやる…その願いのもとに、誰かの望みであろうとする岩間。
そんな彼女はクスノキに憧れ、父にクスノキだと言われた出田がそこにいる。
クスノキを通して2人の関係提示がまた良かったですね。何故樹齢隠してる?その謎解きが楽しかったし、それを解き明かすワクワク感もあれば、知ったあと感じる考えられた真実の隠蔽…好きですね。ハムちゃん脱走事件はルミノール検査液が伏線になっててここで回収されるなんて思いもしなかった。
生物部への入部も、このまるで狙ったように集まった理学な子達も全てが含まれていた結果。この構築されたレールの上を自分で道を選び歩みだしたと思ったらそれすら掌だった時の恐ろしさよ…。ラブコメとして、擽ったい距離感なんかも楽しめますが、それ以上にロジカル的な科学的と感情の事件解決も、各々キャラクターの真剣なんかも感じられる物語でした。この子たちの知識料や人生の変遷ももっと知りたいですし、学校の権力図だとか何処までがシナリオの上でこの先もレールが先に惹かれるのか?なども楽しみです。やはり初恋の花を出した瞬間、初恋の花だと気づいた瞬間が最高